Each Modern

A Kassen, Color of Things, 2025, Archival inkjet print, color field, 100 x 80 cm, 120 x 120 cm
2018年、キュレーター兼批評家の黄亞紀（Huang Yaji）によって設立されたEach Modernは、アジアの戦後美術および現代美術の価値を再定義し、国際的な実践との対話を促進することを使命としています。アジアのアート・エコシステムにおける10年以上の経験を持つ黄は、ギャラリーのビジョンに深い洞察をもたらしました。2023年11月、Each Modernは台北のビジネス街に現在のスペースを移転しました。設立からわずか3年で、これまで美術史の中で見過ごされてきたアーティストを再発見するとともに、アジアの戦後・現代美術を通じて若い観客層を惹きつけることで評価を確立しました。主要なプログラムでは、ハイパーリアリズムの陳錫煌（Hilo Chen）、前衛の先駆者李元佳（Li Yuan-Chia）、戦後台湾の陳庭詩（Chen Ting-Shih）、写真集団「プロヴォーク」の中平卓馬・森山大道、日本の石内都、もの派の菅木志雄、台湾の写真家鄧南光（Teng Nan-Kuang）らを紹介しています。2022年以降は国際的なアーティストを加え、アジアの美術言説における存在感をさらに高めています。

Exhibiting Artists

郎靜山｜Lang JingShan

1892年生まれ、1995年没。中国写真史における最重要人物のひとりであり、「アジア写真の父」と称される。100年余りの生涯において、中国語圏のみならず東アジア全体の写真発展を牽引した。1930年代に考案した「合成写真」は、中国伝統の山水画の精神を写真に取り入れ、アジア写真の基盤を築き、西洋との橋渡しを果たし、1世紀近くにわたり持続的な影響を与えている。1995年、台北にて103歳で逝去。膨大な歴史的価値を持つ作品とともに、アジア写真に計り知れない影響を残した。没後もその業績は学術的・市場的関心を集め、2013年には中国美術館で特別展が開催され、2017年にはサザビーズが特別オークションを実施した。作品はトゥールーズ美術館、香港M+、東京都写真美術館、福岡アジア美術館、台北市立美術館、台北歴史博物館、中国美術館などに収蔵されている。

A Kassen

2004年に結成されたアート・コレクティブで、クリスチャン・ブレトン＝マイヤー、モーテン・スティーン・ヘブスゴー、ソーレン・ピーターセン、トミー・ピーターセンの4名で構成される。メンバーはコペンハーゲンのデンマーク王立美術院で出会い、現在はコペンハーゲンとベルリンを拠点とする。デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス、アイスランド、スペイン、イタリア、ドイツなどヨーロッパ各地の美術館で展覧会を開催し、マルメ美術館（スウェーデン）、クンステン・オールボー現代美術館（デンマーク）、キステフォス美術館（ノルウェー）、CA2M（スペイン）、r/eコレクションなどに収蔵されている。また、ニューデリーのデンマーク大使館やスウェーデンのカールスタッドやルンドなどに恒久彫刻を設置。2025年にはデンマーク・ストゥッベコービングにおいて大量の土を掘り出し、小分けにラベル付きで販売するショップ・プロジェクト「Jord」を開始した。

呉美齊｜Wu MeiChi

1989年生まれ。写真家として、カラーの静物を中心に、舞台写真、抽象絵画、光とテクスチャーの実験を組み合わせた作品を展開している。主な個展に、アムステルダム・フイスマルセイユで作品が収蔵された「Pairs Photo」（2025）、集美×アルル国際写真祭にてディスカバリー賞候補者プレゼンテーションの一環として開催された「Baby’s Baby」（2024）、北京のA26 SpaceおよびVege Wondersでの「Pandora’s Box」、台北Each Modernでの「YXX-The Flares」（2019）、台北Pon Dingでの「Picnic」（2020）がある。主なグループ展には、「A Fresh Look-The Artist’s Window」（2022、ArtBank・台中）、「The Eye of Abstraction」（2023、国家攝影文化中心・台北）、「IMAGRATION」（Gallery Common・東京）などがある。

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