MARUKAWA Collection
帰れない写真:帰属と解除と充填と−そして写真は途方に暮れる
Kunie Sugiura, Cko #L10-V2/2, 1967
©Kunie Sugiura
「POST INDUSTRIAL MEDIUM−複製技術時代の終焉」がA面ならば、本展はそのB面に相当する。A面に「帰れない二人」、B面に「そして僕は途方に暮れる」、そんなレコードを夢想しながら写真の選定を進めると、プレイリストが勝手に増殖を始める。「写真に帰れ」と命令されても、そもそも帰るべき「写真(の本質)」は、最初から幻想に過ぎず、写真はどこにも「帰れない」。「来たるべき言葉」を見つけられず、「植物図鑑」にもなれず、「そして写真は途方に暮れる」。メディウムへの「帰属」から「解除」された「帰れない写真」は、その「空洞」を武器に、現実世界を凌駕する「充填」を開始する。「T3 PHOTO ASIA 2026」に、「A面とB面」として出現する二つの展観は、実は、「両A面」だったのだ。
キュラトリアル・ステートメント(梅津元)
Q Ei, Untitled, 1936-39
Zai Nomura, Still Life: 496800ss, 2021
キュレーター