ExhibitionDiscover New Asia

Yeonjin Oh “Colors of the Air”, 2022
Hiền Hoàng “Still from the left video of the 3-channel performance work 'Made in Rice,' part of the project 'Asia Bistro - Made in Rice’”, 2021
John Yuyi “People on the beach 1”, 2018
Nozomi Suzuki “Folding Temple Glasses (bifocals)−Daikongashi Vegetable Market” 2024,
Daikogashi Vegetable Market (1902), photo:Chuo City Kyobashi Library

「Discover New Asia」では、アジア出身の女性アーティスト4名、オ・ヨンジン、ヒエン・ホアン、ジャン・ヨウイ、鈴木のぞみを取り上げ、彼女たちがポストインターネット時代におけるアイデンティティ、文化、記憶、身体性に関する独自の視点を表現し、アートフォトグラフィの境界を押し広げている様子を紹介します。当企画では、アジアにおける写真文化の進化を掘り下げ、これらの作品に反映された歴史的意義と豊かな多様性を提示します。



オ・ヨンジン(1993年、ソウル生まれ)は、写真、絵画、版画の交差から作品を制作し、さまざまな技法を絶えず実験している。暗室での制作でソラリゼーションというアナログな技法を用い、画像を繰り返し露光・現像するアプローチにより、常に変化し続ける流動的なイメージの本質を探求する。その作品は、イメージの抽象化に焦点を当て、様々な変調や変化の形を追求している。



ヒエン・ホアン(1990年、ベトナム生まれ)は、現在ドイツを拠点に活動するマルチメディアアーティスト。作品を通して文化的物語、人間と自然の関係、アイデンティティの複雑さといったテーマを探求している。「Asia Bistro – Made in Rice」プロジェクト(2019-2021)では、アジア系移民に関するステレオタイプに挑み、食の象徴やパフォーマンス、プレキシガラスなどの非伝統的な素材を使用して、文化的アイデンティティや差別的な政策に対する批判的な反省を促した。FOAM PAUL HUF AWARD 2024や、欧州委員会のS+T+ARTS助成金を含む数々の受賞歴があり、そのアーティストとしての旅路は、多様なメディアを通じて知覚の限界を押し広げている。


ジャン・ヨウイ(1991年、台湾生まれ)は、ポストインターネット世代として育った経験が彼女の芸術的実践に深く影響を与えている。アート、ファッション、ソーシャルメディアにおける世界的なリーディングボイスとして認められているヨウイの作品は、ミレニアル世代の女性の身体表現や、ソーシャルメディアの影響を探求し反映する鋭い感性を頻繁に取り上げている。一時的なタトゥーを用いた視覚的なマニフェストにより、身体をパフォーマティブなキャンバスとして活用する。また、大衆メディアのイコノグラフィーを自らの身体に投影し、自己アイデンティティやアイデンティティの経済学といったテーマを探求している。



写真:平林岳志 (grasshopper)
鈴木のぞみ(1983年、日本生まれ)は、銀塩写真を使って隠された記憶を明らかにし、現像過程での光、化学反応、素材の反応を捉える。窓越しの風景を切り取り、意図や主観的な視点から解放されたシーンが自らを定義するよう働き変える。鈴木にとって、写真はイメージとメディアを融合させ、イメージを物理的な形に変容させる触媒として機能する。現実を反映する従来の写真とは異なり、彼女は写真そのものを鑑賞の対象とし、時間の感覚を遅らせ、それをイメージの中に封じ込める力があると考えている。






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